Another World

二度目の人生を強くてニューゲームするための記録。

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『over heaven』感想

 ジョジョは『人間賛歌』の物語である。これに異論をさしはさむ人はいない。
 生きることに絶望したサンダー・マックィーンでさえ彼はスタンド能力で『愛する人と共に死にたい』と願う。
 吸血鬼の息子として生まれ、散々な人生を送ってきたドナテロ・ヴェルサスも『俺だって幸せになっていい』と神父を裏切った。
 では、DIOはどうだろうか。ディオ・ブランドーでもディエゴ・ブランドーでもなく、人間をやめた『DIO』。果たして彼は人間だったのだろうか。賛歌の対象であったのか、あくまで人間の敵としてのモンスターだったのか。


 これに対して彼は人間だった、と答えているのが西尾維新の『over heaven』である。悪ではあっても悪の帝王ではなく、悩みもすれば後悔もする一人の悪人の姿がそこにある。
 そもそもジョジョが読者を選ぶ上に西尾維新も読者を選ぶから、amazonが酷評だらけなのは必然かなとも思うw 内容を読めばなおのこと。

 体裁としては、承太郎の焼却したDIOのノートを『クレイジーダイヤモンド』で復元し、著者が解読したという形になっている。そのため、内容としてはDIOの手記であり天国を目指す計画の進行状況と、彼の過去についての記述、さらに迫りくるジョースター一行に関してが描かれている。
・エンヤ婆は仕事できるんだけどちょっとめんどくさい
・ホルホースはスタンド使いにしては珍しく他人と協調できる人材でいいね
・ンドゥールがいうみたいな悪の救世主のつもりはないんだけどなー
 みたいなことが書かれていて面白い。
 両右手のエンヤ婆やJガイルは人体実験したゾンビの子孫かもね、なんて感傷的な言葉がでてきたり『自分は人間をやめて吸血鬼になり、死を覚悟して"世界"を得たのにジョースターはノーリスクで波紋も幽波紋も得ていてずるい!』なんて愚痴るDIOに『悪の帝王』の姿はない。

 そう、さりげなく書いてしまったが、第3部より彼の目的は『天国に行くこと』であったとされている。
 第3部のDIOの目的は、実はコミックスでは明確にされていない。目的があるのは承太郎のほうだ。母を守るため、というモチベーションの元に彼は動いている。
 これはメジャーな構造ではない。『敵』のほうに目的があり、そちらを挫くのが正義の味方の作法である。『戦闘潮流』のカーズは究極生命体になろうとしたし、吉良吉影は『平穏な生活』と『殺人鬼として生きる』の両立を目指した。親友たるプッチも『天国に行く』という目的の下に行動を起こした。DIOならぬディオ・ブランドーもジョースター家ののっとりのために毒殺を図った。ジョジョ達は、それを防ぐために主人公となった。
 余談ではあるが、奇しくも『黄金の風』においてもDIOの息子たるジョルノが『ギャングスター』になるという目的を果たそうとするのを帝王たるディアボロが挫くという構造になっている。
 そうした、謎のヴェールに包まれたDIOの目的に対する一つの答えが示されている。
 彼は恐怖や不安から『安心』したかったのだ。百回戦って百回まで間違いなくジョナサンを倒せる強さを持っていたからこそ、『世界』というぶっちぎりの強さを持つ、盤面の違うスタンドを持っているからこそ、強さだけでは安心できない。それが『負けるとわかっていたら覚悟ができる』という解答に至っている。
 つまり、プッチのいう『覚悟は幸福だ』ということである。
 なぜ天国という言葉に至ったのか、が不明なのが残念ではあるものの何のために彼がタロットのスタンド使いやエジプト9栄神を集めたのか、については一応の、納得のいく理由が得られてスッキリしたのは事実である。

 ついでに、ジョジョの代表的な疑問である『初期にDIOが使ったイバラのスタンドなんだよ』『DIOとエリナはどうやって両方生き残ったんだ』みたいなのに対しても(納得できるかどうかは別にしても)解答を示している。後者の解答は無理があるけれどきれいにつながっている。
 虹村パパやジョンガリAも、名前だけは登場していて楽しい。

 それにしても、ヴァニラ・アイスやヌケサクが一生懸命戦ったり時間を稼いだりしている間に日記を書いていたDIOは相当にシュール。

 まあ、これだけ長々と感想を書くくらいには楽しめましたよってことで。
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  1. 2011/12/17(土) 18:02:29|
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